3月 14

念願のビデオデッキを無事お借りでき、家の中にあるマイケルコレクションを片っ端からデジタル化する作業をついにはじめたのですが、一発目のGhostsを見てたら思うところいろいろ出てきたのでブログで書いておきます。

Ghostsという作品はある意味でキャプテンEO並みとも言える幻の作品。スティーブン・キングとマイケルが共同で原案を担当し、40分程度の映像として制作したショートムービーです。

しかしその作品を見られる機会というのは大変に限られていました。最初にお披露目されたのは今は無き新宿のアイマックスシアターで行われた試写会。その後VHSでスペシャルボックスとして販売され、そこにはすでに販売されているアルバム「Blood On The Dance Floor」と、未発表曲「On The Line」とセットで販売されたのでした。


Blood on the Dancefloor/Ghosts Home Video Box Set: +CD Single

このボックスセットは1997年発売のようですが、その後いっさいDVD化もされておらず、かといって映画でもないからレンタルでも出回らないため大変希少価値の高い存在となっております。上記のAmazonなんて10万円の値段がついてるぜ……。まあこのGhostsが発表された頃は、少年虐待疑惑のまっさかりでマイケル人気がダダ下がりの時代であり、その当時を生きたという幸運と、その時代にもファンであり続けたことへ対する権利とでも思っておきましょうかね。

ちなみに同梱の「On The Line」に関しては、のちに発売されたマイケルのスーパーベスト盤「Ultimate Collection」に収録されております。このUltimate Collectionはほんとハンパなく、On The Lineをはじめとして、ペプシコーラの懸賞でしか手に入れられなかった「Someone Put Your Hand Out」など未発表音源がこれでもかというくらい収録されており、コレクター欲の強かったファンに対しては衝撃だったことと思われます。こちらも限定発売ではありますが、まだかろうじて手に入れられるくらいので、最近ファンになった人はとりあえず買っとけと言いたい。


The Ultimate Collection

さてそんな前置きはこのあたりにして、Ghostsの簡単な紹介を。「第2のスリラー」と評されることも多いこの作品は、お化け屋敷にすむ主人公と、それを追い出しにかかる住民の物語。「お前なんか出て行け!」という住民に対し、マイケルがお化けとともに住民をおどかして楽しむというのが大まかなストーリー。

この作品の見どころといえばやはり群舞。アルバム「HIStory」収録曲の「2 BAD」で踊る群舞はここでしか見られない群舞といっても差し支えないクオリティ。マイケルのダンスはある程度型が決まるとライブや他のパフォーマンスでも取り入れられることが多いんだけど、このGhostsで見られるダンスは他の作品でほとんどその筋が見られない。あえて言うならThis Is ItのThriller終盤で「Threatened」につながる部分のダンスが似ているかなあとは思うけれど、直線のビシっとした動きが多いマイケルダンスに対して、ゴムのようにぐにゃぐにゃと踊るその群舞は他の群舞とは明らかに違う。

そんなダンスのクオリティとは別に感じてしまうのがマイケルの悲痛なメッセージ。この頃は前述した通り少年虐待疑惑のまっさかりであり、その時の辛い心情はHIStoryの各曲にも見て取れるわけですが、Ghostは映像作品ということもあってその意思がとても強く見て取れる。

主人公であるマイケルは、お化けと一緒に住み、時おり遊びにくる子供をおどかして楽しむだけの存在。子供はとても楽しんで遊んで帰るけれど、大人はそれを「あいつはおかしい奴だ」と決めつけて「村から出て行け」と脅しにくる。少年虐待疑惑の問題はこの際置いておいたとして、常に奇人変人扱いされるマイケルにとって「人と違うだけでなぜそんなに非難するのか」という気持ちがひしひしと伝わってきます。

作品では結局マイケルのダンスと演出により子供だけでなく大人も心を開き始めるのですが、あくまで立ち退きを迫る住民代表の1人だけが決して言うことを聞かない。結果としてその代表はマイケルの脅かしに驚いて屋敷を飛び出してしまう(といっても窓ガラスを突き破っていなくなるので死んだということなだろうけれど……)。この結末はきっとマイケルの希望する終わりなのかな。いつまでも自分を攻撃する人はいるけれど、きちんと理解を示してくれる人もいて、いつかみんなわかってくれるさ、という。

確かにマイケルは奇人扱いされるけれども、そのパフォーマンスや歌唱力というのはきちんと評価されるべきもので、だからこそ自分はどんなにマイケルを悪く言われようとも好きで居続けたんだけれど、そんなマイケルが望むべき正当な評価は、マイケルが死んだことで実現されたというのはなんだかちょっと物悲しい。本当はThis Is Itが実際に公演されて、それが日本にもやってきていれば、そんな世界もマイケルの目に届いたのかもしれないと、Ghosts見てまた思うのでした。

そしてそれと同時に、このクオリティ高い群舞がファンの手に届かない状況はとても悲しいので、関係者にはぜひともDVDなりBlu-ray化をお願いしたいと切に望む次第であります。

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1月 28

前に音楽まとめ書いたときからいつか映像まとめもしたいなと思ってたんだけど、日経エンタテインメントのマイケル特集読んだらついカッとなって書きたくなってきた。

マイケル・ジャクソンの音楽HISTORYまとめ – カイ士伝
http://blogging.from.tv/wp/2009/11/07/2809

先日はTwitterで「日本国民全員買うべき」とか勢いでつぶやいちゃったのですが、正直このクオリティはちょっとオススメできないかな。インタビューはまあいいとして、「マイケルのソロ初アルバムが「Off The Wall」とか(マイケルはモータウン時代に「Got To Be There」でソロデビュー)、一般販売されたホームビデオ作品では「グレイテスト・ヒッツ ヒストリー」が3作目とか(いやその間にいろいろあるから……)、はてにはマイケル大好きを公言する湯川れい子のインタビューに「スリラーに入ってるジャム」とか無茶苦茶な描写がある始末。なんだろね、編集が悪いのか湯川れい子のミスなのかはしらんが、マイケルのトリビュート本出すのにその程度も知らないのかと絶句した。

It
マイケル・ジャクソン THIS IS IT特集号 日経エンタテインメント!2010年2月号臨時増刊[雑誌]

そんなオドロキ描写の中でも、マイケルのすばらしい映像素材が現存するDVDパッケージしか説明されていないのはまったくもってもったいない。売れないものを紹介しても仕方ないのかもしれないけれど、マイケルの歴史からそこを消してしまうのはあまりにももったいないので、自分の思いつく範囲でマイケルの映像に関する歴史をつづってみたいと思います。

なお、最初に断っておきますが、私もすべての映像作品を網羅できている自信はありません。あくまで私の知っている範囲であることをご理解いただきつつ、「他にもこんな映像あるよ」というご意見ありましたらぜひお寄せくださいませ。また、モータウン時代は私もあまり造詣が深くないもので、基本はEPICソニー時代のソロ作品を対象と刺せていただきたいと思います。

Motown 25 – Yesterday, Today, Forever

マイケルが最初に所属したレーベル「モータウン」の25周年を収録した映像集。ここでマイケルが初めてムーンウォークを披露したことでも有名ですが、実はあの「Billie Jean」の前に、兄弟たちと一緒にジャクソンズの曲を披露するんですね。んでそれが終わった後に「昔の曲も好きだけど、ぼくが今好きなのは新曲です」とコメントしてBillie Jeanに入るという、兄弟たちをすべて露払いにしてしまったというおそるべき舞台コンセプトは意外と知られていませんね。

あまり映像作品のYouTube紹介するのは好きではないのですが、もはやVHSで入手不可能な映像作品でもあるのでご参考までにジャクソンズのパフォーマンスを紹介したブログを貼っておきます。

Motown 25: Yesterday, Today, Forever (1983):らむの日記:So-net blog
http://rooney12.blog.so-net.ne.jp/2010-01-15-1

マイケル・ジャクソン 終わりなき伝説

正直あまり内容を覚えていないのだけれど、マイケルの反省をつづったドキュメンタリー。MSNのサイトによれば「発売元:ソニー・ミュージックエンタテインメント」となっているので公式ドキュメンタリーと言って良いでしょう。

マイケル・ジャクソン?終りなき伝説?? CD情報 – MSN エンタメ
http://music.jp.msn.com/music/cd.aspx?cdid=249293

ちなみにヤフオクでもまだちらちら売ってるみたいですね。音楽素材もふだんに使われていて結構おもしろかった記憶が。

希少VHS「マイケルジャクソン終わりなき伝説」即決5000円 – Yahoo!オークション
http://page10.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m70089827

メイキング・オブ・スリラー

スリラーの長尺PVに加え、スリラーのメイキングを収録した映像作品。あの黒人の女の子が「オーラ・レイ」というのはここで知りました。名作スリラーの裏側を見られるという意味でも価値ある作品。Amazonにリンクありました。

Amazon.co.jp: Making of Thriller [VHS] [Import]: Michael Jackson: ビデオ
http://www.amazon.co.jp/Making-Thriller-VHS-Michael-Jackson/dp/6301945085

グラミー賞グレイテスト・ヒッツ! VOL.1

やっとこさまともに紹介できる映像作品が来ましたな……。

グラミー賞の舞台で披露されたパフォーマンスを集めた映像集ですが、マイケルが「The Way You Make Me Feel」と「Man In The Mirror」を披露しています。まあ、どっちもすさまじいまでの口パクなんだけどな……。The Way You Make Me Feelがスローテンポの歌詞から入るパフォーマンスはここから始まっていると思われるので歴史的価値はあるかと思います。

ウィ・アー・ザ・ワールド


ウイ・アー・ザ・ワールド 20周年アニヴァーサリィ [DVD]

言わずとしれたチャリティソングかつ全米の有名アーティストが一同に集結した「We Are The World」の楽曲と制作までを描いたドキュメンタリー。しかしこのクラスの有名人がこの人数集まるのはもうないだろうな……。マイケルがみんなに歌い方を教えているパートは必見ですかね。

ムーンウォーカー

タイトルだけなら超有名だけどきちんと中を見た人は少ないのかも。最近はThis Is It効果で再販されましたね。


ムーンウォーカー (初回生産限定特別ジャケット仕様) [DVD]

斜めになるパフォーマンスで有名な「Smooth Criminal」はこの映画から切り出されていたり、最後にはBeatlesの「Come Together」を見事なまでのマイケル色でカヴァーしていたりと見所たっぷりなんですが、いかんせん途中の映画がマイケルの脳内を忠実に具現化した不思議な世界なので、人によっては失笑してしまうかもね……。ただ、なかなか見られない笑顔のマイケルや楽しそうなマイケルが見られるという意味でも価値ありと言えます。あと繰り返しですがCome Togetherのカヴァーは絶品。

DANGEROUS ザ・ショート・フィルム・コレクション


DANGEROUS~ザ・ショート・フィルム・コレクション [DVD]

アルバム「DANGEROUS」収録曲のPVをまとめて納めたDVD。PVに加えて各曲のメイキングも楽しめるのがいいですね。個人的には一番好きなアルバムだけにこのDVDも好き度が非常に高いです。Remeber The TimeやIn The Closetのメイキングなんかもオススメ。

ビデオ・グレイテスト・ヒッツ ヒストリー

このあたりは定番ですかね。マイケルの歴代有名PVをきっちり収録したDVD。ライブ映像とかはないのですがこれはこれでオススメ。

ヒストリー・オン・フィルム


ヒストリー・オン・フィルム VOLUME II [DVD]

DVDを1枚オススメするならこれかなあ。有名どころのPVに加えてファン大絶賛である1995年のMTVパフォーマンスを収録。個人的には「They Don’t Care About Us」で子供と楽しそうに踊るマイケルの笑顔が好きです。

バック・トゥ・ダンス2


プロモ・ライツ・クリップ! バックトゥ・ダンス2 [DVD]

ちとマニアックですが、エディ・マーフィーのアルバムにマイケルがゲスト参加した曲「WHATZUPWITU」が見られる貴重なDVD。マイケルの笑顔がステキですよっておれ相当マイケルの笑顔フェチだな。

ゴースト

ツアー・イン・ミュンヘンもWOWOWではあるものの最近放映された今、期待すべきはこの映像ですかね。第2のスリラーともいうべき凝りに凝りまくった映像集に加え、直線的な動きが多かったマイケルが曲線中心で踊り出す不思議なダンスは至高のクオリティ。ああはやくうちのVHSをデジタル化しなければ……。

ちなみにAmazonだとたいへんなプレミアついてますな。

Amazon.co.jp: ゴースト・スペシャル・ボックス [VHS]: マイケル・ジャクソン: ビデオ
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005G55N

ライブ・イン・ブカレスト


ライヴ・イン・ブカレスト [DVD]

言わずとしれた現存する唯一の公式ライブDVD。私からしますとThis Is Itはしょせんリハーサルであり、マイケルが本気を出すステージパフォーマンスの力はぜひこのDVDで味わって欲しいと思います。

NUMBER ONES


NUMBER ONES [DVD]

ヒストリーシリーズのDVD持っていれば意味はないかなあ。元々が新曲のでないマイケルに対し、各国でナンバーワンになった曲だけを集めてベスト盤を作ったというコンセプトアルバムなので新しさはなし。まあBood On The Dance FloorとYou Rock My WorldのPVが見られるところがポイントでしょうか。Smooth Criminalについてはその圧縮ぶりが酷評されているので、まあファンのコレクターアイテムという位置付けかな。

THE ONE


ザ・ワン [DVD]

映像というよりもドキュメンタリー素材で、自分が唯一といっていい買ってない映像集。まあ、そろそろコレクター用に買いますかね。あまりマイケルの人物像どうこうというのは興味ないのだが……。

いま手持ちで思いつくマイケル映像はこのくらい、といいたいところですが、例のアレを紹介しないと一応は終われませんかね。


マイケル・ジャクソン IN ネバーランディングストーリー [DVD]

これについては何か語るよりこれ読んでもらえればいいかな……。まあ、マイケルの奇人ぶりが伝わる作品かもしれません。

第188回:マイケル・ジャクソン出演映画新旧対決「ムーンウォーカー」と笑劇のオバカ映画「ネバーランディングストーリー」帰ってきた買っとけ! DVD
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050913/buyd188.htm

あとはメン・イン・ブラック2にもマイケルが出ているといえば出ていますが、こっちもまあ物好きレベルの話ということで……。

メン・イン・ブラック 2

最後紹介した映像素材がまあアレですが、現状手に入る映像素材としてはライブ・イン・ブカレストと、ヒストリー・オン・フィルムあたりがオススメでしょうか。ほんとにそろそろゴーストをDVDなりBlu-ray化して欲しいものです……。

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11月 27

詳しくは後で。

マイケル・ジャクソン HIStoryツアー・イン・ミュンヘン 1997|音楽|WOWOWオンライン
http://www.wowow.co.jp/pg/detail/150284001/index.php

This Is It見た人にはブカレストよりこっちだと思いますはい。特にBillie Jeanの演出はThis Is Itで打ち合わせしていた意味が「ああこれがやりたかったのね!」とわかる名シーンかと思います。

By カイ士伝

11月 24

先のめんどくさいエントリー書いてる途中にいろいろ調べてたら、YouTubeに公式でマイケルの動画がいろいろ上がっているのを発見。

YouTube – michaeljackson さんのチャンネル
http://www.youtube.com/user/michaeljackson

しかもこれがかなりのラインナップ。Beat ItとかThrillerとかBADとかの定番ばかりじゃない、ライブパフォーマンスをPVに収録した「Another Part Of Me」、映像作品としてVHSで発売したままDVD化もされていない「Ghosts」、さらにはマイケルの兄ティトの息子、つまりはマイケルの甥っ子3人兄弟である3Tとのデュエット「Why」までラインナップされている充実ぶり!

しかし映像作品のほとんどが著作権の問題で日本では再生できないというね・・・・・・。なんだろうねこの寂しさは・・・・・・。米国在住の人がうらやましく思う瞬間であります。IP見てるから確実に超えられない壁だろうなあこれ・・・・・・。

By カイ士伝

11月 24

ファーストインプレッションはこちら。

This Is It ファーストインプレッション – カイ士伝
http://blogging.from.tv/wp/2009/10/29/2786

公開初日ギリギリに見てきたThis Is Itですが、いろいろ細かいところを見たり確認したいこともあって2回目も行きたいとずっと思っており、やっとタイミングが合って2回目のThis Is Itと相成りました。

1回目はどうしても全体の流れを追うのに一生懸命になってしまいますが、2回目は細かい部分の構成とか脇のダンサーとかも見る余裕がありました。ギタリストのお姉さんが話題ですが、個人的なツボはSmooth Criminalの群舞後半で増員される左側のおねーさんの振り付けです。

前にも書いた気がするけれど全体的な構成はやはりHIStoryツアーベースで、They Don’t Care About Usの振り付けとか、Billie Jeanの登場とかはまんまHIStory。ただ、ところどころ最新のアレンジを取り入れていて、JAMかThey Don’t Care About Usのどっちかは締めをBADにしていたりと、細かいところを常に改善していくマイケルらしさが見て取れた。

そして何より圧巻なのはライブに合わせて制作された映像たちで、Smooth Criminalでは過去の映画とのCG合成したり、The Way You Make Me Feelでは工事現場のようなところからダンサーが降りてくる演出を追加。Earth Songでも新たに映像起こしてます。ちなみにSmooth Criminalで合成している映画は「ギルダ」というらしい。


ギルダ【字幕版】

そして特筆すべきはやはりThriller 3Dで、あの名作Thrillerを今のクオリティできっちり書き直した上に3D対応で撮影してる。3D対応にするあたりは新しいもの好きのマイケルらしいなあと思うところですが、あれはほんと3D普及のためにもきちんとBlu-Rayあたりで発売して欲しい。

曲目は今までのライブで演じられたものばかりですが、意外だったのはHeal The Worldがなかったこと。単にリハでやってないだけなのかもしれないけれど、マイケルのテーマでもある「Heal The World」が無いというのは意外でした。まあ「あと4年で環境問題を対策する」とかムチャを言うマイケルからすると、「地球を癒そう」なんて優しく言ってる場合ではなく、「地球やべーぞ!」と脅しにかかるEarth Songのほうが最適なのかもしれません。

全体的に非常に満足だしBlu-ray化されたら必ず買うのですが、一方で同時に思うのは「やっぱりリハはリハだったな」ということ。2回目見たから細かい動作もきちんと終えたけれど、やっぱり振り付けは動きをかなり抑えているし、ちゃんと踊るべき振り付けをさらっと流しているところも多々あった。何よりマイケルがライブ中に手拍子取るなんて見たこともないシーンで、それはファン的には非常に楽しいシーンだけど、あれをもって最高のクオリティとか言われてしまうのもちょっと微妙な感が残りました。

ここからはまあ重度のマイケルファンの戯言だと思ってスルーしていただきたいところですが、ちょっと世間的なThis Is Itの評価には疑問を感じるところ。マイケルを見たことがない人がThis Is Itを見て感動するというのは嬉しいことで、「いやあんなレベルで感動しても」なんていう気はさらさらありません。もちろんさらなるクオリティを見ていただくためにもブカレストはぜひご覧いただきたいところですが。


ライヴ・イン・ブカレスト [DVD]

疑問が残るのはあれをもって「物作りがわかる」とかいう声で、もちろんわからないことは無いだろうけれども、それはどんな作品でも裏側を紹介するドキュメンタリーがあったら学べるレベルじゃないかなあ。

マイケル自身のディレクター能力もはなはだ疑問で、それが端的に表れるのがJackson 5メドレーの時。単に耳へのボリュームが大きすぎるというだけのことを「こんなんじゃ歌えないよ」「僕は自分の耳で聞くように育てられているからね」「耳に拳をつっこまれている感じだ」と自分の感情ばかりを表にし、オルテガに「じゃあどうすればいい?」と聞かれると「音を小さくして」と答えるマイケル。だったらそれ先に言えよwww。

The Way You Make Me Feelのリズムをキーボードと合わせる時も「ベッドからはい出るよう感じ」とか無茶苦茶な表現してキーボードを困らせたあげく、キーボードの人も最後には「具体的に言ってくれないかな」とちょっとキレてるw。インタビューではみんなマイケル最高言うけどそりゃドキュメンタリーなんだから言うよねレベルでありまして、リハ中のマイケルの言動見ていると言いたいことは言ってるものの、何かをまとめる方向ではほとんど動いてない。

自分の楽曲にこだわりを持っていて、細かいキーや音階のレベルで調整に入るというマイケルのこだわりはすばらしいけれど、結局あのライブをまとめきっているのはオルテガの手腕によるところだよね、というのが個人的なファイナルアンサーで、そういう意味で作品はみんなで作っていくものだよなあと。1人の天才とそれを陰で支える黒子、という構図のほうがしっくりきます。

ファンとして感動すべきはどちらかというと、ライブでは見られない裏側で、そういう意味ではマイケルがダンサーに振り付け教えてたり、マイケルがアカペラで歌いながら曲を調整していくあたりが萌え度は絶頂。特にThey Don’t Care About Usを教えているシーンが非常によかったなあ。マイケルが他界してなければ、マイケルのファンだけがキャーキャー言って終わりだった作品にも思いました。

ちょっとめんどくさい話の流れになってきたので少し話を変えると、昔から思っているころだけれどマイケルとダンサーの違いは非常に大きいなと思った。まったく同じ振り付けで、ダンスだけを生業にしているダンサーと比べてもマイケルの動きは美しい。それはリハ程度に動きを抑えているThis Is It程度でも違いがわかるほどに。

その理由がかいま見えたのが、Shake Your BodyをBGMにダンサーたちが自分の振り付けをそれぞれ見せるシーン。みんなダンスの能力は非常に高いんだけど、曲に動きが合っていないのね。宙を飛んだりロボットみたいに動いたりする振り付けが、曲のテンポや強弱に合ってないからただのダンスにしか見えない。

マイケルの振り付けが美しいのは曲の強弱だったりテンポにぴったりと合わせた振り付けをしているからで、これは口ではすごく説明難しいですがRemember The Timeの後半、「In the park, On the Beach, You and me, It’s Spain」の振り付けの部分とか見てもらえるとわかりやすいかも。

Remember The Time群舞シーン
http://www.youtube.com/watch?v=nDxsM5jLNxM#t=6m10s

マイケルは歌もダンスもそれぞれすばらしいけど、それが1つになってさらにクオリティを高められるのがマイケルだよなあとしみじみ痛感したところでありました。

そして見終わった後に改めて思うのがはやりHIStoryツアーを見たいということ。DVD化されているブカレストもいいライブですが、This Is Itというリハの演出のかなりの部分がHIStoryベースなので、This Is Itの完成系という意味ではやっぱりHIStory。

ダンサーが床下から飛びでる「トースター」という演出はブカレストではマイケルがやりますが、HIStoryツアーではバックダンサーに任せて、マイケルは別の登場方法で現れる。Earth Songのブルドーザーが出てくる演出もHIStoryでは戦車で実現しているし、何より痛感するのがBillie Jeanのリハ。「ここで照明を当ててマイケルが出てくる」という打ち合わせはHIStoryのマイケルそのままなんだけど、This Is Itで見られるBillie Jeanはその要素がほとんど見られないのが非常に惜しい。

「俺はHIStory知ってるぜ」と言いたいのではなくて、あのリハのやり取りはHIStoryの演出を見てこそすべてがわかる部分なので、そういう点でもライブ・イン・ミュンヘンの映像化を激しく望む次第です。

【追記】
こんな感想もいただいたのでよろしければ合わせてお読みください。ちょっと自分のエントリは勢いで書きすぎてしまいましたが「みんなで作る」はとても同感ですはい。

This is it のカイさんのインプレッションを読んで思ったこと。 – 須田英之の独り言。
http://suda.tv/archives/2009/11/thisisitimp.php

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