「実践Web2.0 BOOK」読んだ
先行発売でゲットしておきながら、とある事情によっていったん手元を離れ再度購入とかやってたらすっかり遅くなってしまいました。
実践Web2.0 BOOK 人気ブロガー直伝! 一歩先行くWeb2.0的ワーキングスタイル |
「実践」という言葉が指し示す通り、この本は「Web 2.0とは何ぞや」を学ぶものではなく、「Web 2.0とはどんなメリットがあるのか」という具体的な部分に一歩踏み込んだ書籍。フィードがうんちゃらとかXMLがうんちゃらとかではなく、「Gmailって使ったらどう便利?」みたいに使い手の目線で書かれている。論より証拠というかなんというか、理屈で学ぶよりまずは自分の体で学んでみた方がわかりやすかったりしますから、個人的にはこういうアプローチのほうがすきですな。
ただ、こういう初心者向けのガイド的なものは、よほどの吸引力がないと手に取ってもらいにくい面もある。たとえばExcelができなくて困っている人だったらExcelガイドブックを一生懸命読むんだろうけど、「Web 2.0ができなくて困ってる」って人はあまりいなそう。「つかわないと仕事ができない」というならともかく、「つかうとより便利になる」という体験というのは、理屈ではなかなか伝わらないんですよね。
その対策かはわからないけど、この本だとちょっとしたしかけがあります。まずは紹介するサービスをテーマごとチャプターに区切り、チャプターの最初でテーマに沿ったサービスを「シーン」としてまとめて紹介。その後は各サービスごと細かく紹介していく、という流れです。
いきなり「Gmailの使い方」とだけ書かれてもなかなか初心者は飛びつきにくい。それがWebのページでリンクや検索から訪れるような能動的な人だったり、「Gmailの使い方」というような一点集中型の本ならともかくとして、「Web 2.0」全体をくくった書籍だとやっぱり引きつける力は弱くなりそう。そこをこのシーンでまとめて取っつきやすくしているというのは、実際にWeb 2.0なサービスをつかってみたいという人にもわかりやすくなりそうな気がします。
個人的にはもうちょい引きつけが強くてもよかったかな、と思う。たとえば従来のメールの使い方をしている人と、Webメールを愛用している人を比較して、外出先で急に家のメールを確認しなきゃ行けなくなったときに比較するとか、グループ内でもスケジュール共有をメールでやっている人と、Googleカレンダーで一気に情報配信して共有しているのとではどっちが便利か、みたいな具体的なシーン。今までの使い方で苦労していることが、Web 2.0的なサービスだと解放されるんだよ、みたいなアプローチがあると、よりサービスに対する気持が前向きになったかなーと思いました。
実際、自分も気がついてみればサービスのほとんどをWeb 2.0的なサービスに移行していることに最近気がつきました。メールは今やGmailしかつかってないし、RSSリーダーもWeb型のフレッシュリーダー。お気に入りはほとんど使わずソーシャルブックマークやRSSリーダーに登録しておき、ブックマークを使うのはブックマークレットくらい。PCにデータはほとんど置かず、家の中のNASやWebのオンラインストレージに用途ごと分けて保存している、といった案配です。
このスタイルにいったんなれてしまうともうなかなか戻れないし、今まだになかったような新しい使い方もできるようになる。今StartMacでMacbookという新しいハードを使いつつそれほど困っていないのも、ブラウザさえあれば一通りの情報が手に入る、という環境にあったからだと思います。
どうもWeb 2.0というとバズワード扱いされていしまい、もはや死語みたいな扱いにされているけど、やっぱりWeb 2.0ブームで登場したサービスというのは今までにない価値をもたらしてくれるものもたくさんある。変に「Web 2.0とは何ぞや」と理屈で攻めるより、こうやって実際にWeb 2.0サービスを使って便利さを感じてくれる人が1人でも増えるといいなあ、と思いました。