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「GANTS」と「MONSTER」読んだ

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久々にまんが喫茶に閉じこもってまんが読書に夢中に。今回読んだのはGANTSを18巻と、MONSTARを11巻の合計19巻。まんが喫茶にいたのは約4時間なので、1時間に約7.25冊ってところですか。コストパフォーマンス良し良し。

GANTSはあの「変」を書いた奥浩哉の作品。連載開始当初は読んでたんだけど、もともとヤングジャンプはあまり読んでないこともあって縁遠くなってました。で、縁あってまんが喫茶で手にとって見たらこれが面白い面白い。気づいたら18巻読み終わってました。

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大まかなストーリーとしては、不慮の事故で死んだ人々が異空間に転送され、そこで行なわれる異星人? とのゲームに勝つと元の世界に戻れる。でもある一定時間が経つと再び同じ世界に戻されて、100点取るまではゲームがエンドレスに続く、という感じ。ゲームで敵を倒さなくても一定時間生き残れば帰れるけど、中で死んでしまえばそこでおしまい。そのほか細かいルールもちょこちょこあるけど大まかはこんな感じ。

流れとしてはちょっとエヴァっぽくて、主人公が何も知らずに別世界のルールに巻き込まれて戦っていき、読者にもその世界のルールは一切説明されないけど、ストーリーが進行するにつれて世界観が明らかになってくる。その展開がすごくうまくてぐいぐい読まされます。ただ、エロとグロ描写がかなり豊富なので、そういうの苦手な人はだめかも。でも主人公の性への貪欲さとかがまたリアルでいいんだけどね。

最新巻まで読んだのでこれでヤングジャンプに追いつける! と思ったら実は19巻まで出ているらしいorz。くそ、あのまんが喫茶品揃えわるいんだよ! アメフトのルールちょっと覚えたところで読み直そうと思ってたアイシールド21なんてアニメ化されてるってのに1冊もないしさ……。


さて、もう一方のMONSTERですが、こっちは意に反してダメダメでした。こちらも連載当初は読んでたんですが、普段読まない雑誌のために見なくなったGANTSと違い、MONSTERは明らかに興味が失せていき、ビッグコミックオリジナル自体は読んでいたのにMONSTERは飛ばしてました。でも浦沢直樹作品の中では評価が高いし、周囲でも好きだという人がいるので「やっぱりちゃんと読まなきゃ判断できんよね」と思ってがんばったんですが、眠さも手伝ってか11巻でノックダウン。

私の中で浦沢直樹の最高傑作といえば「MASTERキートン」「パイナップルARMY」の2作品。どちらも共通点は「浦沢直樹とは別の原作者がいる」ということで、MASTERキートンは1話1話がすごく深く作りこまれている。パイナップルARMYはMASTERキートンほどの濃さはないけれど、1巻から8巻までが複雑に絡み合う伏線がすごく面白い。

対するMONSTERは、この2つに比べるとどうも内容が薄く感じるんですよね。ヨハンを追っかけるという大まかな流れはありつつ、1つの町でなにかイベント起きてその繰り返しって感じで、一環してつながっている何かをあまり感じない。とりあえず設定作っといて、ストーリーはその時々で考えているんじゃないかって雰囲気で、読んでて代わり映えしない展開が続くんですなあ。なんか最終巻だけ読めばもういいんじゃないかって気がしてきた。11巻まで読んだ感想なんですが、「いや12巻以降が面白い」っていうアドバイスがあればぜひ。まあ10巻も読んで興味感じない時点でだめな気もするけど。

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逆にMONSTERで浦沢直樹作品に触れたって人は、ぜひMASTERキートンやパイナップルARMYを読んで欲しい。特にMASTERキートン最終回は名著です。号泣しましたよ号泣。

MASTERキートン (1)
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そういえばMASTERキートンですが、原作者ともめて現在は絶版になっている、なんて騒ぎがありました。

あれだけの人気があり、内容も「名作」と呼ぶに相応しい作品が絶版になるなんて、ちょっと信じがたいものがあるなりが、その背景にはいろいろなゴタゴタがあったようなりよ。

人気マンガ「MASTERキートン」が絶版に至った理由。 Narinari.com
http://www.narinari.com/Nd/2005054455.html


また、AERAの3/30号で浦沢直樹氏が『パイナップルARMY』でも、工藤かずや氏は原作をほとんど書いておらず、自分と担当の長崎氏で話を作っていたと語っているという情報を見かけました。これは、詳しく触れているところなどはなかったのですが。

ARTIFACT ―人工事実― : 週刊文春の『MASTERキートン』絶版記事を考えてみる
http://artifact-jp.com/mt/archives/200505/bunsyunmasterkeaton.html


このエントリーではMASTERキートンの勝鹿北星もパイナップルARMYの工藤かずやもほとんど原作を書いていないらしい、という話題に触れられています。一方でこんなエントリーもありました。

で、ボクはたまたま仕事で、勝鹿氏の作品を担当した編集者と知り合いなので、 実際、原作者としてどうだったのか聞いてみた。 (遺作は、けっこうキートンほどの傑作じゃないけど、同じ匂いもする) すると彼は、 「マスターキートンの絶版のことでしょ。あれ、ひどいよね。 死人に口無し、とばかりに急に出てきたでしょ。 原作者としては本当に優秀だったよ。ただ、綿密に調べるし資料も すごくそろえるから、仕事が遅いってことはあったかも」

So-net blog:森のクジラはオアシスへ:MASTERキートン絶版についてボクの聞いた事とか
http://blog.so-net.ne.jp/shitataka/2005-05-26-2


どちらが正しいかは部外者の私にはわからないし、むしろ知ろうとも思わない。ただ、「究極超人あ?る」でまんが道に目覚めて以来ひたすらまんがを愛してきた私にとって、「MASTERキートン」「パイナップルARMY」と、「MONSTER」「20世紀少年」との間には、作品のクオリティとして大きな差を感じるのは事実。正直なところ、小畑健みたいに浦沢直樹も原作者とタッグでまたまんが書いて欲しいという気持ちでいっぱいだったりします。






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