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ソフトバンクの無料攻勢で考える携帯電話の料金プラン

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ソフトバンクの進撃が続いております。

いろんな意味で驚愕しまくりの「予想外割」発表時、26日に発表するとしていた隠し球は「端末0円」攻撃でした。

ソフトバンク、「新スーパーボーナス」は頭金0円の分割払い
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/31686.html

ITmedia +D モバイル:「0円大好きのソフトバンク、端末の持ち帰りは全て0円」──孫正義社長
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0610/26/news059.html

ソフトバンク、携帯電話全機種を「頭金0円」で販売:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061026/251883/

まあ無料といっても頭金がゼロになり、月の支払いに加算されるというだけなんですが、ここまで無料で攻める姿勢には頭が下がりますね。これに関してはリリースが出てないので正式な情報がイマイチわからないんですが、705SHのようなエントリーモデルに関しては端末の月々の支払いも無料で、905SHのような高機能モデルでは月額390円を支払う必要がある、ということに。

この「端末無料」作戦は結構いいなと思いました。といっても前回述べたように料金プランは問題ありまくりなわけですが、その料金プランをきっちり理解した上でソフトバンクを選ぶんであれば、どうせ27ヶ月縛りなんだから「毒を食らわば皿まで」感覚で、端末がとりあえず最初だけ無料になるのは結構嬉しい。というか27ヶ月縛りなんだからむしろそのくらいしないと割に合わないとも言いますけど。

料金の見せ方って割と大事で、たとえば月額500円だけど年額一括すると5500円でいいよー、みたいなプランがあっても、気軽に手を出せるのは月額プランだったりする。実際には一括が安くても、月々ちまちまはらうほうがいいんです、っていう人は結構多いと思います。

しかも見方を変えると、これって端末料金を電話料金と合算して請求できるということですよね。これってISPとかだと「請求書を一括にできてオトク!」とか自慢げにアピールする部分だったりもするわけで。繰り返しますが料金プランを納得し、27ヶ月縛りに飛び込む覚悟があるのであれば、この端末頭金無料作戦はなかなか魅力的だと思います。

ただ気になるのは、月々の端末分割料金は無料になるってことは、結局インセンティブが働いているわけですよね。「インセンティブモデルはおかしい」とあれだけ言っていた孫さんですが、実際にはインセンティブをやめたわけではありません。正しくは「インセンティブの元を取るまで27ヶ月間お前ら契約やめるなよ」という縛りでしかない。

海外では確かにインセンティブモデルがありませんが、その代わり余計な料金を通信料金で稼ぐ必要がありませんから通話料は安価です。ソフトバンクの場合、結局はインセンティブモデルを継続しておきながら、ゴールドプランの通話料金は他キャリアと比べても高くなっているという罠。ウィルコムみたいにセカンド端末として持つならともかく、ソフトバンクをメイン端末で使おうとすれば、どうしてもソフトバンク以外の通話やメールは発生するわけで、無料通話もないゴールドプランはかなり高くなってしまいそう。実はオレンジプランやブループランのほうが幸せになれそうな気がします。


そんな孫さんの攻撃っぷりに、ドコモもたまらず反撃。

ドコモ中村社長、「孫氏の発言には怒りすら覚える」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/31710.html

ITmedia +D モバイル:言いたい放題のソフトバンクにもの申す──ドコモ中村社長
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0610/27/news109.html

ドコモ中村社長,ソフトバンクモバイルのやり方に対し「怒りを覚える」:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061027/252028/

しかしながら、非携帯電話ユーザーとしてはドコモの発言もつっこみどころ満載なわけですよ。

 中村氏は、「23日夜から言われっぱなしで、怒りすら覚える部分がある」と発言。ソフトバンクの新聞広告を持ち出して、「0円の表記と、孫社長の名前は大きく書いてあるが、大切な条件が小さく書いてある。ソフトバンクモバイルに移動したが、請求書を見て、こんなはずじゃなかったという人が増えることが心配。こういう出し方はフェアなのかどうか」などと語った。

これが「4,095円で定額!」とパケホーダイを宣伝しているキャリアの言うことですかね。ドコモもやってること一緒じゃありません?

解説しておくと、ドコモのパケホーダイはあくまでオプションですから、4,095円に月額基本料がかならず必須になるので、4,095円のみとはいきません。「でもデータだけ定額という意味ではあってるのでは」という考えもありますが、実際にはパケホーダイにはiモード料金が含まれていないから、データ通信だけ考えても210円足りませんよ。

iモード付加機能使用料:200円(税込210円)/月のお申込みが必要です。ご利用いただくサイトによっては、別途iモード情報料がかかる場合があります。

パケ・ホーダイ(パケット定額サービス) : ご注意事項 | 料金・割引 | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/charge/discount/pake_houdai/notice.html


定額の宣伝に関してはauも同じこと。ダブル定額の料金だけをピックアップするけど、EZwebの料金月額300円は含めていない。確かにソフトバンクの今回の料金プランはやりすぎ感がありますが、他の携帯電話キャリアも自分の料金プランをまず見つめなおすべきではないでしょうか。

ここ最近は既存ユーザーにあまり優しくないウィルコムですが、少なくとも「ウィルコム定額プラン」はかなりわかりやすい。通話料こそ既存プランよりちょっと高い場合もありますが、どこにかけても料金一律で携帯電話・PHSへの発信もそれなりに安価。月額2,900円払えばウィルコム間通話およびすべてのEメールが無料。ウィルコムは一見同じような定額プランに見えるソフトバンクに対して、きっちり料金プランのシンプルさで勝負したほうがいいと思いますね。


【追記】
 トラックバックしていただいたネタフルにて修正が入っているので一応補足。上記では「ウィルコム間通話は無料」と書いていますが、きちんと正確に表現するなら「ウィルコムならどの070にかけても定額」であります。

2006年10月20日(金)より「ウィルコム定額プラン」の無料通話先をウィルコムだけではなく、ウィルコム以外のPHS事業者を含むすべての070番号へと拡大いたします。

「ウィルコム定額プラン」の無料通話先がすべての「070」番号へ拡大
および新オプションサービスの導入について
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2006/10/18/index.html

このあたり表現迷ったんですが、070なら定額といっても相手はすでに新規加入がほぼできない状況にあるアステルとNTTドコモであって、知り合いがアステルやNTTドコモのPHSユーザーというのでもないとメリットないんですね。

しかも同じ070といっても、アステルやNTTドコモのPHSからかけても定額になるわけではなくて、定額通話ができるのはウィルコムのみなので、ソフトバンクの「相互定額」というところにあわせて「ウィルコム定額」という表記にしていました。

ただもちろん、ウィルコム以外の070へも定額範囲内で電話できるというのが一番正しい点なので、この点は補足させていただきます。誤解を与えた方々にはお詫びいたします。

WILLCOM|ウィルコム定額プラン
http://www.willcom-inc.com/ja/plan/phone/fixed_rate/index.html

ドコモ社長の発言にもう1つ突っ込み。

 加えて、「固定発携帯電話料金は、3分120円だったものを、ドコモは3分70円、auは3分80円へと値下げしてきた。それに対して、ソフトバンクモバイルは3分120円のまま。これはかなり収益に作用する部分であり、こうした点を言わないことは疑問」などと語った。

固定発携帯電話の料金値下げは、今は無き平成電電が言い出したもので、その当時の携帯電話キャリアはみんな料金値下げを渋ってた。それを「料金値下げにがんばってきた」みたいな言い方もいかがなものでしょうかね。

総務省が裁定、固定発携帯着の料金設定権は平成電電側に
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/11793.html

ソフトバンクのあまりの攻めっぷりに反論したくなるのはわかります。でもいま他キャリアがすべきは「あいつはずるい」と言うことではなく、いかに自分たちがきちんとしたサービスを提供しているかをアピールすることではないでしょうか。なんだかこの一連のやり取りって、中学生が「先生、○○くんだってこんなズルしてます」って言い合ってるすごくみっともない言い争いに見えます。

MNPのおかげで「新規顧客の流動」にばかり目がいきがちですけど、本当に大事なのは既存のお客さんを大事にすることでは。なんだか最近はお客の奪い合いにばかり焦点が言っているような気がして心配です。テレビCMなんかも「こっちにおいでよ」とか「いいことあるよ」とかばっかりで、声の無い既存ユーザーが忘れられている気がしますよ。


そして最後に発生したソフトバンクのMNPシステム障害。わざとだったらシャレにならんですが、わざとじゃないとしたら実に運の悪いタイミングですね。そうではないとしても「わざとやったの?」と見る人がでてきてもおかしくない絶妙のタイミング。メディアやネット上では悪役イメージがつきつつあるだけに、ソフトバンクは「障害ですみません」というアピールをきちんとしておいたほうがいいように思います。

ソフトバンクのMNPシステムに障害、ドコモやauに乗換え不可
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/31722.html





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