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「HD」の世界は覚悟を決めて

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 PS3を初めとする次世代ゲーム機、Blu-RayとHD DVDの次世代DVD、大画面テレビなどなど、枚挙に暇がないほどに最近のテレビ関連では「HD」というキーワードが当たり前のように登場しています。あまりに「HD」という言葉が叫ばれるがゆえに、HD対応でないと心配になってしまう、そんな人もいるほどに。

 ただ、自分の感覚からすると、とりあえずHD対応にしておけっていうのはあまりオススメしたくないところ。HDがダメというわけではなくて、HDにするならそれなりの覚悟が必要ですよ、という意味においてです。

 はじめにそもそもHDって何よ、ってところから。HDとは「High Definition」の略で、かなり端的に言うならば「ハイビジョンテレビ」に近いと思ってください。

テレビなどにおける高解像度(高精細・高画質)のこと。1080i、720pがこれに相当する。

HDとは - はてなダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/keyword/HD

ではHDではない今までのテレビは? というと、そちらは「Standard Definition」と呼びます。

テレビなどにおける標準的な解像度(標準画質)のこと。480i、480pがこれに相当する。
SDとは - はてなダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/keyword/SD?kid=73549

画質の数値は「走査線」の数で、かなーりざっくり表現するとデジカメやPCで言うところの縦方向のピクセルと思ってもらえれば。走査線の数字の後にはアルファベットが付いていますが、これは画面の表示方式の違い。「i」はインターレース方式で、画面の走査線を奇数・偶数ごと交互に表示します。「P」はプログレッシブの略で、奇数・偶数にかかわらず走査線を同時に表示。単純に「P」のほうが「i」より上、と理解すれば早いと思います。

さらにPS3や大画面テレビの上位機種でうたわれる「フルHD」。これは走査線が最高の1080でプログレッシブ方式の「1080p」のことを指します。今現在の仕様で最も高い方式なので、これ買っとけば大丈夫、というぐらいの最高スペック。料理で言うなら至高か究極のメニュークラスですよ。

ただ、問題なのは、ハードのスペックがすばらしくても、そこに映しこむコンテンツはそこまで対応しきれていないこと。ここが一番のネックであります。

PCで考えれば、ディスプレイが大きければ大きいほど有効活用できそうですが、マルチウィンドウのPCと違い、テレビは基本的に画面全部を使って映像を表示します。上記に記した通常のテレビであるSDの画面サイズは640×480、いわゆるVGAの大きさです。最近ではXGA(1024×768)くらいが主流になっているPCと比べると、テレビって意外に小さいんですね。

たとえばXGAのディスプレイで、VGA撮影したデジカメの画像を最大化表示したらどうなるか。イマイチ画面がぼやぼやで、せっかくの写真もショボく見えてしまう。これがフルHDとなると1920×1080の大きさ。SD画像なんてこのディスプレイでは1/4以下の大きさで、それを画面で最大化表示するからノイズが出たり絵がボケたり、ってのが当たり前になってしまうわけです。

つまりHD対応テレビを買ったなら、映し出す映像もHDでないと、かえって今まで見ていたものが汚く見えてしまうという罠。地上アナログだけでなく、DVDもHD対応テレビだと見づらくなります。

もちろんDVDに関してはBlu-RayやHD DVDという次世代DVDがありますが、レンタルビデオ店でもスタンダード化した感のあるDVDに対して、Blu-RayやHD DVDのディスクなんて数える程度しかありません。せっかく高いお金を出して買った大画面テレビで映画を楽しもう! と思ってDVD借りてきても、画面があまりキレイでなくて悲しい思いをするかもしれません。

肝心のテレビ放送で言えば地上デジタルというHD対応の放送があるわけですが、こちらも、というよりこっちのほうが大きな問題かも。

まずはじめに、地上デジタルを録画するには、地上デジタルのチューナーを搭載したレコーダが必要です。最近のレコーダならほとんど地上デジタルには対応していると思いますが、アナログ録画しか対応していないレコーダの場合、HD対応テレビを楽しみたかったらレコーダも買い換える覚悟が必要です。

しかも問題なのは地上デジタルの録画仕様。現行の地上デジタルはHDDレコーダなどに録画する際、番組を一度しか録画できない「コピーワンス」仕様になっているのです。

 録画して見たら消す、というだけならもちろん十分ですが、DVDに焼く場合、HDD内の画像をDVDに「移動」するためにHDDでは見られなくなる。さらにDVDに焼く作業を失敗した場合も、ヘタをすると「移動」扱いになってHDDから番組がなくなってしまう。よく友達に「あの番組録画してたらDVDでちょうだい」なんて頼まれることあると思いますが、この場合も自分の番組を焼いてあげたら自分はもう見られなくなるわけです。

さすがにそれは使い勝手悪かろう、ということで、このコピーワンス仕様も見直されることになりました。

デジタル放送の「コピーワンス」運用見直しを検討開始
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050729/soumu1.htm

ただ、見直されるといっても結論が出るのは2006年内の話。そこからその仕様反映した製品が出てくるまでには時間かかりそうです。そもそもいまコピーワンス対応になっているレコーダって、「やっぱコピーワンスやめました」っていったらすぐに対応できるんでしょうか。このあたりは詳しくないので謎なんですが、「みんなはコピーワンスじゃなくなったけど、あんたのレコーダだけはコピーワンスですよ」なんてことになったら恐ろしいですね。ただこのあたりは事実未確認なのでその点をご了承ください。

なのでいまオススメするとしたら、むしろアナログ対応のW録対応レコーダ。地上デジタル対応が主流になっているので今や型落ちモデルでしか見つけられないと思いますが、RD-XS38/48なんかは値段が下がってきていることもあって、見つけたら即買い! くらいオススメしたい逸品です。

TOSHIBA W録 BSアナログチューナー搭載 HDD&DVDレコーダー HDD200GB RD-XS38
TOSHIBA W録 BSアナログチューナー搭載 HDD&DVDレコーダー HDD200GB RD-XS38

いろいろ書いてきましたが、個人的な見解として「HD」は今後当たり前になるだろうけれど、コンテンツがSD中心の現状ではまだ時期尚早なのではないかということ。少なくとも「HD対応の大画面テレビなら今までよりキレイ」という考えは危険だということをご理解いただけたほうがいいと思います。HD対応のテレビやレコーダは値段もかなりのものですしね。

ヘタにHD対応テレビを買うより、今のテレビとアナログ録画のレコーダのほうが楽しめる範囲は大きい。地上デジタルへの移行期限は2011年ですが、今はまだ2006年とあと5年もある。とりあえずは激安のアナログテレビを買っておいて、HD環境が十分に揃って値ごろ感でてからHDに手を出す、という選択肢もありだと思いますよ。そもそもレコーダにしたって、HDDの寿命から考えると5年も持てばいいほうですしね。

ただ、それらの覚悟を持った上でHDの世界に飛び込めるなら話は別。テレビはフルHDにして、レコーダもHD対応の大容量モデルを購入、ゲーム機もPS3とXbox 360を楽しむんであれば、今までにはない高画質のすばらしい世界を体験できることはまちがいなし。やっぱりフルHDで体験するPS3は、今までとは確実に違う世界です。

でもフルHDでWiiやったら厳しそうだけどね……。






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