映画「ゲド戦記」見てきた
usersネットで不評が渦巻く中見に行ったゲド戦記でしたが、評判通りでした。ありゃ竹熊さんも寝るよと思った。
たけくまメモ : 「ゲド戦記」、観に行きましたが
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_b8de.html
まず前半の1時間がまったくいらない。後半1時間になってやっとストーリーらしくなってくるも、一番やってはいけない「映画の主題をキャラクターが演説して終わり」というキャシャーン並みの展開でした。もうねー、命が大事とか飽きたよ、そういう演説は。もうちょっと心にぐっと来る演出でお願いします。
監督を務めた宮崎駿監督の息子たる宮崎吾郎氏ですが、これが初監督ということを差し引けばまーこんなもんでしょ、とも思う。だけど初監督と言えジブリパワーをフルに発揮し、いかにも宮崎駿な絵柄も使って「宮崎アニメ」演出するとか外部の力使うだけ使っておいて、「初監督」では許されないよね。キャラクターで言えば主人公やヒロインだけでなく、いかにもクワトロっぽい悪役がいたのも萎えた。まあクワトロは味のあるいいキャラだったけど、名前もわからないゲドのキャラはぜんぜんいいとこなしだったので一緒にしたくもないですが。
とりあえずゲドを見に行く人は、ネットに散らばる感想をじっくり読まずともなんとなく雰囲気だけでも感じ取っておいて、その上で「面白いかどうかは俺が判断する!」くらいでいったほうがいいと思いますよ。「わーい宮崎アニメだー」と思っていくと、ハウル以上のガッカリ度味わうこと保証いたします(ハウルがダメな人限定ですが)。
以下は作品のネタバレにつながるかもしれないので「続きを読む」にて。映画見た人、もしくは見る気がない人はどうぞ先へお進み下さい。
気になったのはこの映画が原作を読んでないとぜんぜんわからんこと。「ゲド戦記」というタイトルだけど主人公がゲドじゃないとか、本当の名前を知られると相手の意のままに操られてしまう、とか、途中で助けてくれたテナーは実は魔女で、とかいうストーリーがちんぷんかんぷんで、映画の後でWikipedia見てやっと理解できました。知らなくても「なんとなくこうだろうな」と想像で補完はできるけど、それは観客に仕事押しつけすぎじゃないですかね。
ゲド戦記 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%89%E6%88%A6%E8%A8%98
映画公開前にリリースした「テルーの唄」も演出がやらしい。途中でテルーがアカペラでまるまる歌うシーン、あそこで感動させたいんだろうけど「聴かせるぞ」感が伝わりすぎてドン引いた。でもカラオケで歌いたいと思った。
結局謎の少女テルーの正体はドラゴンだったわけですが、原作があるとはいえ「千と千尋の神隠し」と同じオチだよね。しかも「え! テルーってドラゴンだったの!?」みたいなストーリーの山場に持ってこられているので余計に「見たよその展開」と冷めてしまいました。原作ファンならいいのかもしれないけど、原作知らずに見に行った観客としてはねえ。
ストーリー自体も、最初に主人公が父親を刺す意味がわからないし、ゲドと主人公があの島にたどり着いた理由も見えない。まともにストーリーが動き出すのは悪い魔女が現れてからで、全体的に脚本も弱いよねと思っていたら脚本も宮崎吾郎監督でしたかそうでしたか。
でもとりあえず映画見て原作には興味が出たので、第1部から読んでみようとは思います。
今Amazonみたら、こんな抱き合わせもやってるのね。これはひどい……。
あとはBIGLOBEストリームでゲド戦記の実写ムービーも配信中。映画は第3部らしいですが、こっちは第1部と第2部らしいので補完にはちょうどいいのかも。つーか映画は第3部なら第3部とちゃんと説明お願いしますよ!
- 期間限定・独占配信!『ゲド?戦いのはじまり』無料配信中! - BIGLOBEストリーム
http://broadband.biglobe.ne.jp/sp_prg_info/index_ged.html