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「労働法のキモが2時間でわかる本」書評

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 すでにいろんなブログで取り上げられていますが、献本いただいておりました「労働法のキモが2時間でわかる本」やっと読み終わりましたのでご報告。

労働法のキモが2時間でわかる本
労働法のキモが2時間でわかる本

 タイトルは「2時間」とありますが、読むのが早い人はもっと早く読み終わるかも。要は2時間というのは「短い」と言うことをあらわしているのであって、「八百万」が800万じゃなくて「たくさん」みたいなものですか。

 労働法というと堅苦しく聞こえるんですが、内容はすごく身近なものに特化しているのでわかりやすい。第2章の「その給料、最初の話と違うじゃん」とか、第3章の「サービス残業と持帰り残業どちらがお得?」とか他人事じゃない内容で、結構のめりこんで読んでしまった。自分もとある会社に転職したとき、面接で給与を手取りで交渉したのに、入社してみたらそれが額面の数字だったときはマジでドン引きました。ああやっぱり書類作ってきちんと交渉すべきだったなあと後になって反省。

 まあそんな戯言はさておき、普段のサラリーマン生活って、ルールそのものは知っているけど、なぜそういうルールなのかは知らないことが多い。残業は100時間超えちゃいけないと言われるけど、じゃあそれはなぜだめなのかとか、休憩時間を過ぎてもご飯から戻ってこない人がいたとき、それがどうだめなのか。そういう日々の「なんとなく」ですごしていた疑問について、きちんと法律にのっとった理由を知っておくということはなかなか大事なことだし、役にも立つと思います。

 内容が法律という堅苦しいテーマを扱っているだけに読みやすくする努力もされていて、OLのナナという主人公が入社した会社の中で少しずつ労働法を学んでいくというストーリー仕立てで進行していきます。正直これは人によって受けるか受けないか微妙なところで、余計なキャラクターが出てくることでテンション下がる人もいるでしょう。実は自分も最初「こんな余計なキャラクターいらないよ」とか思ってたんですが、読んでいくうちに微妙に感情移入して萌えてしまった。しかし現実で考えると、何かあるたびに「それは労働法に則って問題ありませんか」とかみついてくる女の子ってちょっとアレではありますが。

 本筋と関係ないところで気になったのは本書のタイトル。というのも目次を見ると各章の見出しは「『ウチは美人を採用します』そんなのアリ?」とか、「その給料、最初の話と違うじゃん」とか、「釣り三昧のあの人がクビにならない理由」とか、割とキャッチーで刺激的なタイトルが並ぶのに、本のタイトルは「2時間でわかる」という言葉こそあれ、「労働法」というちょっと堅苦しい言葉を使っていること。

 「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を代表として、ここ最近のこういう本はいかに見出しをキャッチーにして「釣る」か、みたいなのが目立つ。確かにそれは効果あるし、本はそもそも手にとってもらえないと意味がないのだから、結果こそすべてという発想であれば、タイトルをいかに刺激的にするかというのは重要な要素だと思います。

 でもこの本は目次こそ刺激的だけど、タイトルはそういういわゆる「釣り」をしていない。きっと「見出しをもっと刺激的に」という発想も当然あったと思うんですが、それをあえてせず、どちらかというと正攻法に近いであろう「労働法」という言葉を使っているあたりに、「労働法そのものにもっと興味をもって欲しい」という作者の気持ちがこもっているのかなー」と思いました。

 タイトルが刺激的な本はついつい手に取りがちですが、中身がその刺激についていかないと落差が大きくて、「タイトルの割にイマイチだったな」なんて感情も残りがち。そうではなくタイトルをあえてシンプルにすることで、手にとってもらえる機会は減るのかもしれないけど、そのぶん内容に対しては真摯に受け取ってもらえるのかな、とか思いました。

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