エキサイトがついに動画共有に参入です。
動画共有・ビデオブログ | エキサイト:ドガログ
http://dogalog.excite.co.jp/
エキサイトって割と選ぶサービスのセンスがいいと個人的には思ってます。ネームカードもいいアイディアだったし、Last.fmも日本版サービスをゲット。惜しむらくは日本語やらデザインやらの細かいツメがあまくて、イマイチ流行してないところでしょうか……。
そんなエキサイトの動画共有「ドガログ」。容量は無制限で1ファイルのアップロードも200MBと他社より大きめ。さらに動画をH.264でダウンロードしてiPodでも見られるなど、なかなか高機能です。
ただ、動画共有といえばお決まりのブログ貼り付け機能が未実装。このあたり、ユーザーに活発に使ってもらうにはキモのサービスだと思うのに、何で付いてないんだろう、と思ったら、エキサイトにシステムを提供しているPeeVee.TVは、これらの機能がとっくについているのでした。
[PeeVee.TV] ピーヴィー
http://peevee.tv/
そんな未来のドガログとも言えるPeeVee.TVで面白いのがプライベート公開機能。プライベートといってもPeeVee.TVのTOPに公開されず、Googleなどの検索にもひっかからないだけで、他の人がそのURLを知っていればパスワードの必要もなく見ることができます。
動画や静止画をアップして見せたい時、ある程度ITに詳しい人だったらFlickrのアカウント持っていたりするけれど、大学の友達とか高校の友達とかだと、みんながみんなPCを使いこなしているわけじゃない。プライベートな飲み会の画像を見せたいとき、わざわざIDとパスワード登録してもらうのってすごく敷居が高いんですよ。
幸いにして静止画に関しては、「ウェブリアルバム」がパスワード公開機能を持っているのでそれを愛用しています。が、動画に関してはパスワード公開機能を持っているサービスをほとんど見かけません。カヤックの「モビゾー」なんかはパスワード設定できるんだけど、あれは携帯向けのサービスなので、アップロードがメール添付だけだったり、容量が10MBだったりと、デジカメで取った動画なんかのアップロードには使いにくい。
ウェブリアルバム:デジカメ写真をステキなWebアルバムに!
http://webryalbum.biglobe.ne.jp/
トップページ : Movizo 動画変換エンジン
http://www.movizo.com/
でもPeeVeeなら、プライベート公開することで友達のみに動画を見せられる。パスワードがないので不安という声もありますが、検索でひっかからないしTOPページにも表示されないなら、URLそのものがパスワードという考え方もできる。Googleカレンダーなんかも同じ発想で、プライベートURLにアクセスすればスケジュールが全部見られるようになっている。ITリテラシの差を埋めるためには良い発想だと思います。
ただ、現状のPeeVee.TVは、諸手を上げて歓迎、というにはちょっと課題が多いのも正直なところ。その1つがPeeVee.TVのURLで、せっかくのプライベートURLなのに、URLの作りがユーザーID+動画に振られた番号というつくりのために、一度でも動画を公開したことがあってIDが見られている人だったら、ちょちょいと数字打てばいくらでもプライベート動画のURLにたどりつけてしまう。
アップロードも問題で、プライベート指定しているのになぜかPeeVee.TVのTOPに表示されているという恐ろしい事態が多々ありました。あまりに何回も起きるので細かく目視していたんですが、それでもやっぱり発生。しかもブログにはこの機能についてこうあります。
※ご注意
「プライベート公開」以前に一度でも「一般公開」に設定した場合は、Googleなどの検索エンジンに登録されている場合があります。お気をつけ下さい。
http://blog.peevee.tv/blog/archives/061018_135907.html
TOP公開に1日気づかなかったらGoogle行き。コワイヨコワイヨ。
さらになぜか一定時間でログインが切れるのも謎。動画アップロードは時間がかかるので、ブラウザ1つ立てといてアップロード中はほうっておくんですが、ほうっておきすぎると勝手にログアウトしている。上のプライベート設定なのに公開されてしまう現象も、このあたりが影響しているのではないか、とにらんでいるのですが。
この勢いにのって、ぜひともログイン状態を維持していただきたい!
アクセスするたびにログインするのが面倒だから!w
つぶやきッチョ!: PeeVee.TVがプライベート公開モードを実装
http://www.weblady.jp/blog/archives/2006/10/peeveetv_1.html
アップロードの仕様も改善を望みたいなあ。これはYouTubeもそうなんですが、アップロードするときに動画タイトルを指定するのがどうにも面倒。それはデフォルトで画像のファイル名にしておいて、変えたい人は変えればいいんじゃないかな。うちではテニス動画のアップに使ったんですが、それぞれのテニスフォームの動画がいくつもあって、それにいちいち名前をつけるのは大変。さらにコメントとカテゴリ指定が必須ということもあって、何度もアップロードをくじけそうになりました。
百式の田口さんが「できるだけシンプルに」を心がけているといろんなところで語っておられますが、それってものすごく大事。ファイル指定して利用規約チェックしてアップロード、以上! くらい簡単にアップできないと、どうしても面倒になって結局は使わなくなってしまったりする。特にこういう先進サービスのユーザーは要求レベルも高いので、使いたいと思ったらすぐに使えるという手軽さは大事だと思いますよ。
ただ、アップロードに関してはYouTubeも同じくらい面倒なのであまり使いたくない。PeeVee.TVに関しては、ファイルダウンロードも対応しているしプライベート公開も便利なので、使い勝手はYouTubeのはるか上を行く可能性があると期待しています。
YouTubeって、海外では映画会社がプロモーションに使い、Googleに買収されるほど認められていますが、日本では結局違法コンテンツの再生にしか使われていないのが現状。YouTubeを使った本格的なプロモーションなんて、ほとんど起きてないわけです。(テスト的なのはあっても映画会社が動くほどの事例は無いよね)
つまり、そういった動画プロモーションという点では日本ではまだまだなわけで、だとすれば動画コミュニケーションに主眼を置いたほうがいい。mixiが流行したのも写メールがブレイクしたのも、友達とコミュニケーションがしたいから。コミュニケーションというよりパブリッシング要素の強いブログサービスが、たった1つのSNSであるmixiよりもアクティブ数が少ないというのはこのあたりにも課題があるのではないかと思います。
だからこそもっとコミュニケーション要素を磨けば動画共有って未来がありそうなんだけど、どこもかしこもYouTubeを意識しすぎてコミュニケーションに意識が行っていない。本当に動画コミュニケーションを促進したいのなら、IDとパスワード取らなきゃプライベート公開できない仕様なんて敷居が高すぎです。mixiが招待制で成功したからといって、じゃあ招待制でやればブレイクするのかと言えば、同じ招待制でもGREEはユーザーが伸び悩んでいる。じゃあ公開制にすればいいかというと、Anyはまったく評判聞かないわけです。
日本ではITリテラシにかなりの差が生じていて、その間を埋められるような取り組みが大事。そしてmixiのブレイクに見られるように、「誰でも見られるわけではない」という安心感は重要なポイント。このあたりきちんと作りこんでいけば、文字より写真よりも表現力のある動画だけに、魅力的なサービスも育つんじゃないかなーと期待しております。がんばれPeeVee.TV。