Wiiゼルダは無事にクリアしましたが、Wii Sportsはまだまだプレイしています。やりこみと言うほどではないですが、5分10分で気軽にプレイできるので、空いた時間に気軽にプレイできるのがいい。
といってもプレイしているのはテニスばかりで、熟練度はまもなく2,000に届こうかというところまできました。他のスポーツはいずれも1,000も超えておらず、軒並み500以下の熟練度だということを考えると明らかに偏りすぎです。
もともとテニス経験があるので、Wii Sportsに限らずテニスゲームは一通りプレイしている私。そんなテニスゲーム好きな私から見ると、Wii Sportsで描かれるテニスはやや異質に感じるのです。
そもそもWii Sportsの中で、テニスだけ他の4種目と操作体系が異なっています。野球、ゴルフ、ボウリングはコース決定に十字ボタンを利用するところが大きな違い。ボウリングはアナログ的に見えるけれど、ストレートやフック、アッパーくらいの違いはあれどパンチの種類はいくつかに決まっていて、リモコンやヌンチャクの振り方によってパンチの起動が変わる、なんてことはない。ガードも上と下の2択しかないわけで、このあたりはアナログ操作に見えて実は単にボタンを押したのと結果が変わらないWiiゼルダの剣操作と通じるところがあります。
ところがWii Sportsのテニスだけは根本的に操作が違う。ボタン操作が必要ないという点についてはボクシングも共通ですが、テニスは腕の振り方によってコースも球の回転も変化。打ち込むコースも「左・まっすく・右」に決められているのではなく、相手のコートめがけて自由に返せるわけです。
それゆえに「本当のテニスに近い」という印象受けますが、実際やりこんでみると「これはテニスじゃないよな」という感想を、テニス経験者がやりこむと感じてしまいます。それは大きく「操作としてのテニス」と、「ゲームとしてのテニス」の2点に理由があるのです。
Wii Sportsのテニスをはじめたばかりの頃、単に打ち返すだけならそこまで感じなかったのですが、きちんと相手のコースをねらって打ち返すのがすごく難しかった。難しいというよりも、自分のテニスのフォームでストレートねらっても全然うまくいかないのです。しかたないのでいろんな打ち方を試して「はたしてWii Sportsではどういううち方をすればコースをねらえるのか」を調べてみました。
その答えはおそろしく単純というかゲーム的でした。クロスに打ちたいときは「キャラクターより前にボールがあるときに打つ」、ストレートは「キャラクターの真横にボールが来たら打つ」、そしてもちろん逆クロスは「キャラより後ろにボールが来たら」発動するのでした。
わかってしまえば簡単なことで、おかげでコースの打ち分けはだいぶうまくなりましたが、この操作はやっぱり現実のテニスとは大きくかけ離れているわけです。テニスってのは打点は決まっていて、自分のフォームや立ち位置でうまく調節していくのであって、自分の後ろに来たボールを打ち返すなんてのは、よほどの変則的フォームでない限り、あまり上手とはいえないプレイスタイルなわけですよ。
まとめる前に断っておくと、「テニスと操作が違うからダメ」ということではありません。「リアルに見えるけど、実際には現実のテニスとは操作が違うよ」という事実のみであって、結論はこの先ですのでその点はご理解ください。
で、次に「ゲームとしてのテニス」の側面。テニスの楽しさというのは人によりけりだとは思いますが、勝つために必要なプレイというのは、単に速い球を打つことよりも駆け引きが重要です。相手を前に誘い出しておいてロブを打つとか、真ん中に誘い込んでサイドをストレートで抜くとかね。
これまでのテニスゲームでは、十字ボタンという現実とはかけはなれた操作ながらも、そうした駆け引きの部分は十分に楽しめました。テニスだとある程度うまくなければそういう駆け引きの楽しさまでたどり着けないけれど、十字ボタンという簡単な操作なら、プロの気分で戦略的なゲーム展開が実現できるわけです。
Wii Sportsに話を戻すと、Wii Sportsのテニスはキャラクターが自働で動きます。コースのねらい方も十字ボタンではなくリモコンの振り方で決まる上に、逆クロスをねらいたい時はボールをひきつけて打たなければならないので、相手がどのタイミングでラケットふるかでコースはかなりバレバレになってしまいます。結果としてあまり戦略がないというか、誰でも取れるボールで長時間ラリーが続く、というケースが、レベルが上がれば上がるほど顕著になってくるわけです。
一見するとホンモノのテニスに見えるけれど、実際の操作はそうではない。かといって「ビデオゲームのテニス」のような戦略を楽しむことも難しい。そういう意味でWii Sportsは今までのテニスゲームとは確実に異なる異質なゲームなわけです。どちらかというと軽井沢テニスというか、「球を打ち返せることが楽しい」ということに重点が置かれているという感じですかね。
それももちろん十分に楽しいですが、対戦などで戦略的にゲームをプレイしようとするとちょっと不満が残る。レクリエーションであってゲームではない、という感じが強いんですね。具象より抽象のほうが時に真実を描写するとでもいいますか、一見リアルに見えるWii Sportsよりも、十字ボタンを使うテニスのほうが、テニスの醍醐味というのを如実に描写できているな、と思うわけで、その点でもやはり私の中のテニスゲーム最高峰は「パワースマッシュ」に決まりという感覚はゆるぎないのであります。早くパワースマッシュ3出ないかなー。
セガ (2007/03/08)
売り上げランキング: 155
決してWii Sportsのテニスをダメ出ししているのではなく、これはこれでハマっていますが、インターフェイスの楽しさが前面に出すぎていて、対戦したときの面白さというゲーム的な要素はやや薄い、というのが結論です。ローンチ同発タイトルで、まずはWiiをわかりやすく理解してもらうというコンセプトであればこれで何の問題もないというか上出来だと思います。
テニスばかり語り過ぎましたが他のゲームについてもちょろりと感想。野球もテニスの次に気に入っていて、バッター操作はかなり快感。ただ守備が物足りなくて、ピッチャーとしてリモコン振るだけであとはコンピュータが自働で球をとってくれるので単調になりがち。捕球時なにかリモコン操作するとか、ボール投げる塁を指定するくらいがないと守備の面白さはでないかなあと思った。そうすると操作が煩雑になって初心者には難しいんですが、あのスタイルで野球ゲーム出すならそのあたりどう作りこんでくるのか気になるところです。
ボウリングはデキはかなりいい。立ち位置は十字ボタンで決めるというテレビゲーム的な割り切りが、全体的に違和感なくゲームとして成立しています。ただ10フレームはちょっと長いね。野球もテニスも現実より少ない時間に設定されているので、ボウリングも5フレームとか3フレームでやれてもいいな。
ゴルフはほとんどやってません。というのも、ゴルフってドライバーは思いっきりスイングしてナンボだと思うんですが、ドライバーですらパワーゲージ気にしてちょびっとしかスイングできないってのが快感に欠けるので。バンカーショットやパットならともかく、ドライバーでの第1ショットは思い切りスイングさせて欲しいですな。
ボクシングはいいデキだと思いますが、ヌンチャク1つだと対戦できないのでCPUとやらざるをえず、非常に1試合が疲れるゲームなのでほとんど手を出さず。対戦のときもあまりプレイしてないので不慣れなせいか、戦略的に攻めるというより単なる殴り合いになっちゃったのが寂しいかなあ。
全体的に「Wiiならではの操作を味わってもらう」ためのゲームが中心で、ゲームとして面白いかという点では、慣れると飽きが早いかも。リモコンの使い方に主眼が置かれているで、「そのゲームを楽しむための最高の操作方法か」と言われると厳しい。初心者にはすごく難しくなると思いますが、テニスもコースの打ち分けに十字ボタンを組み合わせられると戦略性が増すかもしれませんね。そのあたりはWii用の専用テニスタイトルの登場に期待してみたいと思います。